遺産分割が確定したら、相続財産に含まれる銀行口座や不動産、車等の名義を速やかに変更する必要があります。

名義変更を行わなければ、口座の利用や不動産・動産の売却等を行うことはできません

ここでは、名義変更すべき代表的な財産とその変更手続き方法について解説します。

名義変更すべき主な相続財産とは

遺産の多くを占めるのが、預貯金や動産、不動産となりますが、具体的には以下のような財産が挙げられます。

銀行口座

名義変更しなければ口座が凍結されたままなので、お金を引き出すことができません。

不動産

相続人の名前に名義変更しないと、売買することができません。

自動車(動産)

車の売却時に所有者の許可が求められるため、予め名義変更を済ませておく必要があります。

銀行口座の名義変更

銀行口座は、被相続人が死亡した事実を金融機関が知った時点で凍結されてしまいます。

一旦凍結された口座からは、原則としてお金をおろすことも解約することもできませんので、名義変更が必要となります

家族や親類の間では、被相続人が本当にお亡くなりになったのか、相続人は誰になるのかが明らかですが、金融機関に対しては確認のための手続きが必要になります。

金融機関における名義変更手続きには、全ての相続人の戸籍謄本や署名捺印に加え、所定の書類に必要事項を記載して提出するケースが一般的です。

車の名義変更

車の名義変更手続きのやり方は、次の通りです。

必要書類の提出

以下の書類を揃えて運輸局に提出します。

  • 被相続人の戸籍謄本
  • 車検証
  • 車庫証明書
  • 相続人の戸籍謄本
  • 相続人の印鑑証明
  • 相続人の実印
  • 申請書
  • 手数料(数百円)

申請が済めば、名義変更済みの車検証が発行されます。

不動産の名義変更

被相続人が不動産を所有していた場合、相続人は所有権が移転したことを証明するために名義変更しなければなりません。

これを一般的に「相続登記」といいます。

不動産は名義変更しないと様々な不便が生じやすく、一般的に以下の事柄が問題になりやすいです。

  • 不動産の売却ができない
  • 不動産を担保にした融資を受けられない
  • 土地に建物を建てることができない

相続登記に期限は設けられていませんが、上記のように様々な不都合が生じる可能性を踏まえれば、早めに手続きをする必要があります

不動産の相続登記

不動産の相続登記を行うためには、以下の書類が必要となります。

  • 被相続人の死亡の事実が記載された戸籍謄本
  • 遺産分割協議書(全相続人の印鑑証明書を添付)
  • 不動産を相続する人の住民票
  • 不動産の固定資産評価証明書
  • 登記簿謄本
  • 委任状(弁護士に依頼する場合)

不備なく書類を揃えることはもちろんですが、相続登記は役所の細かな決まり事に従い進めなければなりませんので、正確な作業が求められます。

インターネットを使い、自分で情報を調べて相続登記に臨む方もおられると思いますが、不備が見つかれば手続きに遅延が生じる可能性も出てきますので、相続や不動産の扱いになれている弁護士に依頼することをおすすめします

相続手続きが簡単になる「法定相続証明制度」とは?

これまで相続における名義変更手続きには、その都度各窓口に対して戸籍謄本などの必要書類の束を提出しなければならず、提出する方、される方、双方に過度な負担がかかっていました。

このような状況を受けて、2017年5月29日から法定相続情報証明制度が開始となりました。

法定相続証明制度とは、相続が発生した際に法務局に対して被相続人の出生から死亡までの戸籍関係書類と相続関係をまとめた一覧図を提出することで、登記官が認証文付きの法定相続情報の写しを交付する制度です。

これにより、今までは各窓口でその都度、被相続人の出生から死亡までの戸籍関係書類の提出が必要でしたが、今後は法定相続情報の提出で代用できるため、提出書類が簡略化されるとともに、提出された側の処理のスピードアップが期待されています。

相続に強い当事務所までお早めにご相談ください。

当事務所では、弁護士自身がかつて相続問題を経験しているため、依頼者がどのような気持ちでいるか、どのような諸手続きが必要になってくるかを熟知しており、その経験から、不動産相続では弁護士を入れる高い必要性があると考えています。

何故なら、不動産相続にまつわる一連の流れについて、一般的に豊富な知識や経験を持つ人は少なく、どう処理すればよいのかわからないケースが多々あるからです。

例えば共有不動産の場合、共有したままにするのか、分割するのか、いずれかの相続人が不動産を所有し代わりに金銭を支払うのかも考えなければなりません。

実態に合わせた適切な対応をするためには、やはり専門的な知識と経験を備えた専門家が必要なのです。

当事務所では特に相続に力を入れており、弁護士が税理士登録もしていることから、相続手続きのサポートだけでなく、相続税に関するアドバイスも得意としております

相続において不動産は特例が多いので、税務面でのサポートは大きな力となるでしょう。

他にも司法書士や不動産鑑定士との連携がありますので、安心して名義変更手続きをお任せいただけます。

まずはお早めにご相談ください。

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