遺言書がない相続では、遺産分割協議を行って相続分を決定します。

この時、相続人全員が分割内容に合意していなければならないのですが、場合によっては 揉め事に発展し、話し合いでは解決が困難になるケースも少なくありません。

今回は、遺産分割協議が話し合いで解決しない場合に利用することになる調停や審判のポイントについて解説します。

遺産分割調停とは?

遺産分割協議でも全員の合意に至らない場合、裁判手続きである「調停」によって解決を目指すことになります。

調停とは、調停委員や裁判官を挟んで話し合いを行う手続きで、互いの意見や希望をすり合わせていくことが目的となります。

第三者が間に入ることによって、冷静な話し合いが可能になり、任意の協議ではまとまらなかった事案でもスムーズにまとまる可能性が期待できます。

調停の注意点

相続はしばしば感情論に発展してしまうケースが見受けられます。

しかし、調停ではできる限り感情論は抑えて、落ち着いて自分の考えを主張することが大切です。

調停の目指すところは和解による解決であり、感情的になってしまってはそれが遠のいてしまいます。

調停委員も、感情的になっている人よりも冷静な人の言葉に耳を傾けやすいものです。

調停を有利に進めるためにも、調停委員や裁判官の心証を意識しましょう。

遺産分割審判とは?

調停が不調に終わった場合、手続きは「審判」へと移ります

審判は家事問題の最終的な段階ですから、結論を下すのは家庭裁判所の裁判官です。

審判の流れ

遺産分割審判は、概ね次のような流れで進みます。

①双方の言い分や証拠を精査する

十分に主張された双方の言い分をベースとして、どのような箇所が争いのもとになっているのかを整理していきます。

②各種調査の実行

争点を根拠付けるために適切な調査が行われます。

  • 裁判官に対する口頭陳述
  • 家庭裁判所調査官による現状調査等

審判期日

争点整理や調査が終了すると、裁判官が最終的な結論を述べる「審判期日」が決められます。

当日は審判の当事者が家庭裁判所に直接出向き、裁判官による審判を仰ぐことになります。

審判は、一般的な裁判における判決と同等ですから、当事者は裁判官が決めた方法に従って遺産分割しなければなりません

遺産問題を当事務所弁護士にご依頼頂くメリット

インターネットで情報収集をして参考にし、遺産分割協議や調停に臨む人も少なくないでしょう。

しかし、相続のような専門的な問題は、弁護士に依頼するのが最善策であると当事務所は考えています。

インターネットによる情報の収集は簡単で便利ですが、次にあげるようなリスクを合わせ持つことも理解しておかなければいけません。

  • 情報の正誤を判断できない
  • 関連法の更新に気付きにくい(古い情報を参考にしてしまう)
  • 間違った情報のまま手続きを進めてしまいやすい(状況悪化や経済的損失に繋がる恐れがある)

これらのリスクを踏まえれば、自力で情報収集や相続問題に臨むより、当事務所の弁護士までご依頼いただいた方がコスト的にも時間的にも高いメリットを得るとができるでしょう。

遺留分侵害額請求について

例えば「遺留分侵害額請求」という手続きがありますが、紛争性が高い背景事情があるため、自力で解決できる人は少ないといわざるを得ません。

そもそも遺留分について理解し、いくらの請求ができるのか正確に算定するだけでも困難です。

結果として、遺産の範囲や計算、財産評価を誤ってしまい、少ない金額で遺留分を請求してしまう事にもなりかねません。

また、相続法の改正により2019年7月から「遺留分減殺請求」から「遺留分侵害額請求」に変更となり、これまでは減殺対象となっていた物自体の返還しか請求できなかったのが、侵害した額を金銭で請求する運用に変わりました

このあたりについても、一般の方ではなかなか対応が難しい部分になりますので、無理をせず早めに弁護士にご相談いただくことをおすすめします。

不動産相続について

不動産の相続についてトラブルになっているケースでも、弁護士の必要性は高いと言えるでしょう。

特に共有不動産の場合は、共有のままにしておくのか、分割して所有するのか、他の相続人に金銭を支払い不動産取得に繋げるのか、選択肢は多数あります。

相続の在り方はその家族環境により個々に異なりますので、実態に合わせた適切な対応を行うためにも、当事務所の弁護士によるフォローが必要となるでしょう。

調停や審判における当事務所のサポート

話し合いで解決できそうな状態であれば、まずは調停による交渉を一番に考えます。

その際、ご依頼者様の立場や考えを調停委員により理解してもらえるよう、弁護士として説明を尽くします。

もし、調停という話し合いの場でどうしても決着がつかなければ、審判に持ち込むしかありません。

審判は法的知識が問われる手続きですから、どういう法律にのっとってどのように主張や立証していくかが重要となりますが、そのあたりについてはすべて当事務所の弁護士にお任せいただければ大丈夫です

早期に解決するためには、少しでも早く対処することがとても大切ですので、まずはお気軽にご相談いただき、徐々に具体的な対策について話し合っていきましょう。

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